Shopifyアプリ解説 29:定型業務を自動化し、運用効率を大幅アップできる「Mechanic」

Shopifyアプリ解説 29:定型業務を自動化し、運用効率を大幅アップできる「Mechanic」

今回は、Shopifyの定型業務を自動化できるアプリ「Mechanic」をご紹介します。

テンプレートで手早く導入でき、Liquid(リキッド:Shopifyが開発したプログラム言語)で高度なロジックも実装可能。外部サービス連携やスケジュール実行など、現場運用で「本当に役に立つ」自動化を幅広くカバーします。

 

<目次>

・Shopify運用における自動化の重要性

・Mechanicとは?

・主な機能・特徴

・MechanicとShopify Flowの違い

・導入方法

・導入時・運用時の注意点

・こんな方にオススメ!

・まとめ

 

■Shopify運用における自動化の重要性

商品登録・在庫調整・受注処理・タグ付与・メタフィールド更新・レポート作成など、EC運用は反復作業の連続です。手作業を続けると、人的ミスや工数増大、施策スピード低下が生じやすくなります。定型業務をアプリで自動化し、浮いた時間を「改善・企画・分析」に振り向けることが、売上と体制の両面で効率を押し上げます。

 

■Mechanicとは?

Mechanic は、Shopify運用のための自動化プラットフォームです。豊富なテンプレートをそのまま使うことも、Liquid(テンプレート言語)で柔軟にカスタムタスクを組むことも可能。Shopifyイベント起点だけでなく、スケジュール実行、外部Webhook、API連携など、現場運用に必要な自動化を広くカバーします。

 

■主な機能・特徴

・豊富な自動化テンプレート
「在庫レベルトリガー」「注文タグ付与」「カスタマータグ付与」「決済ステータス変更後処理」「時間ベース/スケジュール式タスク」など、多彩なテンプレートが用意されています。

・高いカスタマイズ性(Liquidベース)
店長・EC運用者が少しコードを書ける場合、Liquidを活用して自動化タスクを作成できます。たとえば「あるメタフィールドの条件を満たした注文のみを抽出してCSV出力」「3ヶ月間在庫変化がない商品を自動で休止設定」など、自由なロジック構築が可能です。

・外部システムとの連携
Google Sheets/Drive/FTP/API/メールといった外部システムとも連携可能。運用の「壁」となるExcel管理・スプレッドシート連携・外部データ連動などもMechanic経由で自動化できます。

・スケーラブル&複数ストア対応
小規模ストア〜Shopify Plus規模まで、利用用途・規模問わず活用できます。複数ストア運用・B2B/卸売対応といった高度運用場面にも耐える設計です。

 

■MechanicとShopify Flowの違い

Shopify運用の自動化といえば、無料で使える「Shopify Flow」が代表的ですが、Mechanicはより柔軟で拡張性の高いアプローチを取れる点が特徴です。それぞれの特徴を整理すると、次のようになります。

・設定方法の違い
FlowはノーコードのGUI操作で簡単に設定可能です。対するMechanicはLiquid(テンプレート言語)を使って、コードで自由にロジックを組むことが可能です。

・自動化の柔軟性
FlowはShopify標準イベント(注文・在庫・顧客など)をトリガーとする基本的な自動処理に特化しています。それに対しMechanicは外部API・Webhook・スケジュール実行など、より複雑な条件分岐・外部連携を実現可能です。

・外部連携の可否
FlowはShopify内部アプリや一部の外部連携(例:Klaviyoなど)に限定されていますが、MechanicはGoogle Sheets、Slack、CRM、サブスクアプリなど幅広い外部サービスとAPI連携が可能です。

・スケジュール実行の可否
Flowは「イベント(トリガー)発生時のみ」自動処理が走りますが、Mechanicは「毎日・毎週・毎月○時」など時間指定の自動実行が可能です。

・おすすめの利用シーン
Flow:タグ付与や在庫アラートなど、基本的な自動化をノーコードで行いたい場合
Mechanic:定期購買、外部システム連携、複雑な条件分岐など、柔軟性を求める運用や高度な仕組みを構築したい場合

 

■導入方法

(1) Shopifyアプリストアで「Mechanic」をインストール

Mechanicアプリページ

(2) アプリ管理画面の「Add task > New blank task」を選択します

mechanic「add task」画面

(3) タスク設定画面にてタスク名、実行頻度・トリガー、コードを記入し、保存します

mechanic「タスク設定」画面

(4) 少数データでテスト実行し、ログ・出力を確認してください

(5) テスト結果が問題なければ、本番有効化を行います

 

■導入時・運用時の注意点

自動化ツールだからと言って、盲目的に導入すれば良いというわけではありません。次の注意点をご確認ください。

・Liquidの知識やロジック設計能力があると、カスタマイズの幅が広がります。純粋にテンプレートだけで完結させたい場合でも、運用者は「何をトリガーに/何をアクションにするか」を明確にしておく必要があります。

・自動化の「失敗リスク」を想定すること。誤った設定をすると、意図しない在庫変動やタグの付与漏れ、外部へのデータ誤送信などが起きるリスクがあるので、テスト運用のフェーズを必ず設ける必要があります。

・既存フロー/アプリとのバッティングを考慮。例えば既に別の自動化ツールを使っていたり、Flowや別アプリの自動化が入っていたりする場合は、「どのタスクをMechanicに置き換えるか」「複数ツールが競合しないか」の整理が必要です。

 

■こんな方にオススメ!

以下のような課題・ニーズを持つShopify運用者には特におすすめです。

・複数のルーチン作業(在庫更新・注文タグ付与・メタフィールド更新など)を手動で行っており、作業量・工数に悩んでいる方

・複数ストア/複数販路を管理しており、運用の横展開・効率化を図りたい方

・テンプレートだけでは限界を感じており、運用を効率化したい方

・Excel/スプレッドシートで手作業のデータ加工・外部連携をしており、それらを自動化したい方

 

■まとめ

Mechanicは、Flowが得意な「標準イベントのノーコード自動化」を補完・拡張し、「外部連携」「時間トリガー」「複雑ロジック」に踏み込める点が大きな強みです。運用規模が大きいほど、この差が効率と品質に直結します。要件と体制に合わせてアプリを使い分けましょう。

いかがでしたでしょうか?
今回はShopifyアプリ「Mechanic」についてご紹介しました。
今後、日次業務の自動化をお考えの方は、Mechanicの導入をぜひ検討してみてください。

 

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著者名:ヨネチ

モンブラン愛が強めのディレクター。アテスウェイ推し。