最近、AIは私たちの生活にますます馴染んできています。その中でも、質問を投げて答えが返ってくるようなチャットサービスは、かなり身近なものとして実感されているのではないでしょうか。
ChatGPTやGeminiなどは多くの方が耳にしたことがあると思いますが、調べてみると他にもたくさんの選択肢が存在します。
どれを選べばよいのか、と比較をしてみると、具体的なモデルの性能やコストなどが記載されており、結局のところどう違うのか? と悩んでしまう方も多いかと思います。
そこで今回は、以下の5つの生成AIを比較してみます。
・ChatGPT
・Gemini
・Claude
・DeepSeek
・Perplexity
選定条件は、何かのサービスに組み込まれたもの(copilotなど)ではなく、独立で使用することができる点とします。
これらの生成AIに対して、同じ質問を投げた場合の返答を比較してみました。
(すべて無料プランで試していますので、有料プランを使用した場合はまた結果が異なることが予想されます。ご了承ください)
質問①
まずは、このような質問をしてみました。
『質問される内容って、どんなものがおおい?』
サービスを利用する人の傾向がなんとなくつかめたりしないだろうか、という目的もありました。
その結果、「多岐にわたる」ということが分かっただけでした。ざっくりと回答をまとめたところ、以下のように分類できました。
サービス | 仕事関連 | 学習サポート | 創作や趣味 | 日常生活 | 情報に関する質問 | プログラミングとテクノロジー | 言語・翻訳関連 | その他 |
ChatGPT | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
Gemini | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
Claude | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
Deepseek | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
この中で、Perplexityだけ面白い回答でしたので、全文を掲載します。
これは、このサービスが質問の内容をインターネット上で検索し、その内容を要約して答える、というものであることが要因と考えられます。
実際、googleで「質問される内容」と検索すると、「面接で聞かれる質問」に関連した記事がトップに出ています。ちょうど就活シーズンということも関係あるのかもしれませんね。
質問②
続いて、『あなたの最新の知識は、何年何月のものですか?』という質問をしてみます。
生成AIは、特定の時点までのデータや情報を元に回答を生成します。そのため、知識の更新が行われるまでの範囲内でしか正確な情報を提供することができません。これが古ければ古いほど、誤った回答が返ってくる可能性もあると考えられます。
サービス | 回答 |
ChatGPT | 私の基礎となる知識は、2024年6月までの情報を学習しています。さらに、2024年10月からはリアルタイムの検索機能が追加され、最新の情報を取得して回答できるようになりました。 |
Gemini | 私の知識は、常に更新されています。私はGoogleによってトレーニングされた大規模言語モデルであり、最新の情報にアクセスし、学習し続けるように設計されています。そのため、特定の年月で知識が固定されているわけではありません。 |
Claude | 私の知識ベースは2024年7月に最後に更新されました。これは、2025年3月28日現在の私の情報の最新の更新時期となります。 |
Deepseek | 私の最新の知識は 2024年7月 時点のものです。 |
Perplexity | 私の最新の知識は2023年4月までのものです。それ以降の出来事や情報については把握していません。 |
こう見ると、Perplexityは2023年と古く、Geminiは常に最新と出力されていますね。
質問③
では、実際どうなのだろうか?というところを確認するため、『2025年の東京の桜の開花日は?』と質問してみます。
正誤判定のために、あらかじめ調べておきました。東京の桜の開花は3/24(月)だそうです。ちなみに満開は3/30(日)と予想されています(3/28(金)時点)。あいにくの雨ですが……
サービス | 回答 | web検索 |
ChatGPT | 2025年の東京の桜の開花日は、3月24日と報告されています。 満開は3月30日と予想されています。 これらの予想は気象条件などにより変動する可能性がありますので、最新の情報を確認されることをおすすめします。 (情報源あり) |
〇 |
Gemini | 2025年の東京の桜(ソメイヨシノ)の開花予想日は、3月24日です。 この情報は、ウェザーニュースなどの気象情報サイトで確認できます。 ウェザーニュース:桜開花予想【2025】 - ウェザーニュース (https://weathernews.jp/sakura/news/https://weathernews.jp/sakura/news/) 桜の開花時期は、気象条件によって変動する可能性があるため、最新の情報を確認することをおすすめします。 | 〇 |
Claude | 申し訳ありませんが、2025年の東京の具体的な桜の開花日を正確に予測することはできません。桜の開花日は、その年の気象条件、特に冬から春にかけての気温に大きく依存するため、正確な予測には最新の気象データが必要です。 | × |
Deepseek | 2025年の東京の桜(ソメイヨシノ)の開花日は、現時点(2025年3月時点)ではまだ正式な発表がありませんが、過去のデータや気象条件からおおよその傾向を推測することは可能です。 📅 2025年・東京の桜開花予想(現時点の推測) 平年開花日(東京):3月22日ごろ(1991~2020年の平均) 2024年の開花日:3月23日(気象庁発表) 2025年の傾向: 2024~2025年の冬は平年並み~やや暖冬の傾向だったため、3月20日~25日ごろが可能性が高いと予想されます。 ただし、2~3月の急な寒波や暖気の影響で前後する可能性あり。 「3月に入ったら、最新の開花予想をWeb検索して教えて」とリクエストいただければ、調べます! 🌿 | × |
Deepseek(Web検索) | 2025年の東京の桜(ソメイヨシノ)の開花日は、3月24日と発表されています。 主な情報源の開花日 日本気象株式会社(3月27日発表):3月24日(平年並み) 気象庁の観測データ:3月24日(平年と同じ) ウェザーマップ(3月27日更新):3月24日(昨年より5日早い) 満開予想日 3月28日~3月29日頃(開花から4~5日後)と予想されています。 今年の傾向 東京の開花は平年並み(平年日:3月24日)で、昨年(2024年)より5日早い。 3月の気温が平年より高めだったため、開花後の生長がやや早く、満開も平年より少し早い見込み。 最新の開花状況やお花見の見頃情報は、各気象機関のサイト(日本気象協会 / ウェザーニュース)で確認できます🌸 | 〇 |
Perplexity | 2025年の東京の桜の開花日は3月24日です。 | 〇 |
やはり、「Web検索できるか否か」がカギとなっているようです。
Web検索して回答を生成する、というのはPerplexityの特徴のひとつではあるのですが、ほかのサービスにも続々とこの機能を追加されているので、Webから最新のものを取得し、利用者に提供することができるようになっていますね。
では実際、この5つの生成AIには、どのような特徴があるのでしょうか。
『この5つの生成AIを比較してみてください』と質問してみました。AIのことをAIに尋ねる、不思議な感じですね。
サービス | 回答 |
ChatGPT | プログラミング・文章生成 ChatGPT 画像・データ解析・検索連携 Gemini 自然な会話・文脈理解 Claude 日本語特化・高速レスポンス DeepSeek 情報収集・リサーチ Perplexity |
Gemini | 文章生成や日常会話: ChatGPT リアルタイム情報やGoogleサービス連携: Gemini 長文処理や安全性: Claude コード生成やプログラミング: DeepSeek 情報検索や引用元表示: Perplexity |
Claude | 最も汎用的: ChatGPT 最も情報豊富: Gemini 最も倫理的: Claude コーディング最強: DeepSeek 調査・探索最適: Perplexity |
Deepseek | 「とりあえず万能なAIが欲しい」 → ChatGPT 「Googleユーザーで最新情報を活用したい」 → Gemini 「ビジネスや専門的な内容を安全に相談したい」 → Claude 「数学・研究・プログラミングに強いAIが欲しい」 → DeepSeek 「正確な情報を素早く調べたい」 → Perplexity |
Perplexityの回答は、まとめづらかったので省略しています。
自分のことを一番良く言ったりするのかな……なんて思っていましたが、そんなことはありませんでした。あくまで客観的な回答であり、そして内容も全体的に似ているような気がします。
ですので、結論は以下かなと感じます。
サービス | 回答 |
ChatGPT | 文章生成・汎用性 |
Gemini | 情報量・Google連携 |
Claude | 長文処理・安全性 |
Deepseek | プログラミング・研究 |
Perplexity | 調査・情報収集 |
このように、生成AIにはそれぞれ強みと弱みがあります。
目的に応じて使い分けることができれば、より求めている回答が得られるのではないでしょうか。
すべて無料プランが存在しますので、まずは使ってみて、自分に合ったAIを見つけるのがおすすめです。
次回は、『質問される内容って、どんなものがおおい?』の回答を分類したものの中から適当に選んで、質問をしてみます。
これにより、各生成AIの強みや弱みがより明確にわかるのではないかと期待しています。
比較検証を通じて、皆様に有益な情報をお届けできるよう努めますので、ぜひご期待ください。
それでは、次回の更新をお楽しみに!