2026年5月現在、Shopifyでは「新しいお客様アカウント」への移行が進んでいます。その中で、従来のお客様アカウントでは利用できなかった機能として注目されているのがストアクレジット機能です。
ストアクレジット機能を利用すると、店舗独自の残高(ウォレット)のような形で顧客ごとにクレジットを保持でき、返品対応や会員特典、サブスク型ECなど幅広い用途で活用できます。
今回は、Shopifyのストアクレジット機能について、概要・設定方法・活用例・注意点までまとめて解説します。
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<目次>
1. ストアクレジット機能とは?
ストアクレジットとは、Shopify上で顧客ごとに保持できる「店舗専用の残高機能」です。
イメージとしては「その店舗だけで使えるポイント・ウォレット」に近く、店舗側が顧客へ任意の金額を付与し、その残高をチェックアウト時の支払い方法として利用できます。
利用可能な場所は、主に以下の通りです。
- オンラインストア
- Shopify POS
- Shopアプリ
ストアクレジットは、単なるクーポンではなく「顧客アカウントに紐づく残高」として管理されるため、CRM施策や再購入促進との相性が良い機能です。
また、従来のお客様アカウントでは基本的に利用できず、「新しいお客様アカウント」へ移行する大きなメリットと言えます。
2. ストアクレジットの特長
ストアクレジット機能はShopify標準機能として提供されており、Shopify Plus専用機能ではありません。
一方で、チェックアウトでの利用条件や手数料の扱いは、Shopify Paymentsの利用有無やストアの契約状況によって異なる場合があります。導入前に、現在のストア設定で利用できるかを確認しておくと安心です。
ストアクレジットには、以下のような特長があります。
- 顧客アカウント単位で残高を保持:クーポンコードとは異なり、顧客ごとに利用可能な残高を管理できます。
- チェックアウト時の決済手段として利用:通常の支払い方法と同様に、チェックアウト画面でストアクレジットを利用できます。
-
返金をストアクレジットで実施:システムから返金できない決済方法(銀行振り込みや代金引換決済など)の注文で返金が発生した際の代替手段としても利用できます。※1
- 有効期限の設定:用途に応じて、クレジットの有効期限を設定できます。
- 通貨別で管理:ストアクレジットは通貨単位で管理されるため、多通貨運用時には注意が必要です。
- Shopify POSでも利用:設定次第では、実店舗(POS)でも利用できます。
※1 現金ではなくストアクレジットで返還する運用を行う場合は、事前に利用規約を整備し、お客様へ十分にご案内しておく必要があります
3. ストアクレジット機能の設定方法
Step 1:お客様アカウントからストアクレジットを有効化
Shopify管理画面より、「設定 > お客様アカウント」へ移動し、「ストアクレジット」をオンにします。

Step 2:顧客詳細画面から「ストアクレジットを発行」を選択
ストアクレジットを付与したい顧客の詳細画面へ移動し、「ストアクレジットを発行」をクリックします。

Step 3:発行金額を入力してクレジットを付与
発行する金額を入力し、「クレジットを発行する」をクリックします。
なお、ストアクレジットは発行時には費用が発生せず、実際に顧客が利用したタイミングでコストが発生します。
クレジットを発行すると、顧客のマイページ上にもストアクレジット残高が表示されるようになります。

4. ストアクレジットの代表的な活用パターン
① ポイント制度の代替
ストアクレジットは、ポイント制度のような運用も可能です。
- 会員ランク特典
- 購入金額の◯%還元
- 誕生日特典
通常のポイントアプリと比較すると、Shopify標準機能として一元管理できる点がメリットです。また、顧客へのメール通知も行われます。

② サブスク型ECとの組み合わせ
Shopify公式でも推奨されている活用方法のひとつが、サブスク型ECとの連携です。
例えば、以下のような運用が考えられます。
- 月額3,000円を課金
- 毎月3,000円分のストアクレジットを付与
- 顧客が好きな商品に利用
固定商品を配送する定期購入ではなく、「毎月決まった金額をチャージし、自由に使ってもらう」という運用が可能になるため、柔軟なサブスク設計を実現できます。
特にレンタルECや会員制ECとの相性が良い機能です。
③ キャンペーン施策
キャンペーン用途にも活用できます。
- 初回購入特典
- 期間限定ボーナス
- VIP会員限定付与
④ 返金の代替
利用規約等でお客様との合意形成ができていることが前提ではありますが、返品等で返金をしなくてはいけない場合、システムからの返金や振り込みによる返金の代わりに、ストアクレジットでご利用金額を返還することが可能です。
通常の返金ではなく、ストアクレジットとして返還することで、再購入へつなげやすくなります。特にアパレルやレンタルECなど、返品が一定数発生する業態と相性が良い機能です。
ストアクレジットは、顧客へ直接残高を付与できるため、次回購入を促す仕組みとして活用しやすいのが特長です。
なお、メール内の「ストアクレジットを表示」をクリックすると、ログイン画面からアカウント画面へと遷移します。
5. クーポンとの違い
ストアクレジットとクーポンには、大きな違いがあります。
| 項目 | ストアクレジット | クーポン |
|---|---|---|
| 管理単位 | 顧客ごと | コード単位 |
| 残高管理 | 可能 | 不可 |
| 返金用途 | 利用しやすい | 不向き |
| 再購入促進 | 強い | 比較的弱い |
| API連携 | しやすい | 難易度が高い |
特にCRM施策やLTV向上を重視する場合、ストアクレジットの方が柔軟に運用しやすいケースがあります。
6. 導入前に知っておきたい注意点
便利な機能ですが、導入前に知っておきたい仕様もあります。
運用方法によっては、顧客が自由に金額指定をできないケースがあります。導入前に実際の購入フローを確認しておくと安心です。
通常の定期購入の「自動継続決済」には利用できません。そのため、サブスクと組み合わせる場合は、「定期課金 → クレジット付与 → 商品購入時にクレジット利用」という構成にする必要があります。
従来のお客様アカウントでは基本的に利用できません。ストアクレジットを活用するには、新しいお客様アカウントへの移行が必要です。
ストアクレジットは通貨ごとに管理されるため、複数の通貨で運用しているサイトでは運用設計に注意が必要です。
2025年5月12日以降に作成されたストアでは、ストアクレジット利用分にも外部決済手数料が発生する場合があります。ただし、Shopify PlusプランとShopify Paymentsを利用している構成では、免除対象となるケースがあります。
7. ストアクレジット導入が向いている店舗
特に以下のような店舗では、ストアクレジットとの相性が良いです。
- 返品率が高いストア:返金をストアクレジットですることで、再購入につなげやすくなります。
- 会員制度があるストア:会員ランク特典や誕生日施策など、CRM施策との相性が良いです。
- 定期購入を行っているストア:サブスク会員向け特典として運用しやすい機能です。
- レンタル・サブスク型EC:「毎月チャージ → 自由利用」の設計と相性が良く、柔軟なサービス設計を行いやすいのが特長です。
8. レポート機能について
Shopify管理画面には、ストアクレジット関連のレポートも追加されています。
そのため、以下のような数値を確認しながら運用できます。
- 発行額
- 利用額
- 未使用残高
付与したクレジットがどの程度利用されているかを確認できるため、キャンペーン施策や会員特典の効果検証が可能です。
まとめ
Shopifyのストアクレジット機能は、単なるディスカウント機能ではなく、CRM・再購入促進・サブスク設計など幅広い用途で活用できる機能です。
特に「新しいお客様アカウント」への移行を検討している店舗にとっては、大きなメリットと言えます。
返金からの再購入、会員制度、サブスク施策などを強化したい場合は、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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